そばの知識

そばを食べたり、そば打ち体験しても、そばのことを知るチャンスは少ないと 思います。 そばのことを広く知ってもらうために「そばの知識」として何回かにわたって 書いてみることにしました。

 

そばの語源

 

そばの実の形は、ほぼ三角形で1粒6mmくらいの小さいながらも 角張っている。 物の角が尖ったことを「稜(そば)」 と言うことから「そばむぎ」と呼ばれた。 つまり「尖ったむぎ」という意味である。 そばと略して呼ばれるようになったのは、室町時代からと考えらている。

 

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       そばの花              そばの実

 

そばのルーツ

 

そばはダテ科に属する一年草植物。原産地は、中国の

三江地域(雲南、四川、東チベットの境界領域)で栽培種 が生れた。そこから世界各地へ伝播したと推測されている。 日本には、縄文時代の後半(約3500年前)に伝わったと いられている。その頃は、そば米、そばがき、そば餅など にして食べていた。

 

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そばの革命

 

麺のそばとして食べられるようになったのは、江戸時代に 信州・甲州方面の地で発明されたといわれている。 最初は「そば切り」と命名さて、それが「そば」で通じるように なったのは江戸の町からだった。 手間のかかるそば切りにするのは、結婚式、大晦日、節句など の祝いの日だけであった。つまり「ハレ」の日の食べ物として 振舞われていた。

 

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そばの栄養

 

そばが「健康食」として人気急上昇中である。小さな粒に強い 生命力が詰まっている。
そばの栄養素
・タンパク質 生命維持や成長に不可欠な栄養素で、含有量は穀類の中でそばが最も多い。
・カルウム 高血圧などの生活習慣病や疲労回復にも役立つ。 ・食物繊維 便秘の解消だけでなく、動脈硬化、大腸ガン予防にもなる。
・ルチン 毛細血管を丈夫にし、脳出血を防ぐ。

・ビタミン類 糖質の燃焼を促すので、ダイエット効果もある。 ・鉄 全身に酸素を運び、「息切れ」「めまい」「貧血」の予防になる。 他の穀物と比べて、そばはダントツに栄養価が高い食品です。

 

そばの品種

 

そばは「タデ科」に属する一年草の植物である。 植物としてのそばは「普通そば」「ダッタンそば」「宿根そば」に分け られる。

・普通そば

 日本をはじめ世界各地で栽培され、食材にされている。私達が普段にそばといっているのは、このそばである。

 

・ダッタンそば

 普通そばより小粒だが普通そばの約100倍のルチンを含む。苦味が強く別名「ニガそば」ともいう。

 

・宿根そば

薬園で漢方用として栽培されている。葉をゆでたり、 煮たりして食べるため「野菜そば」とも呼ぶ。実は熟す 前に落ちてしまう。

 

 

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普通そばの花

 

そばの世界事情

 

中国で発祥したそばは、中国、旧ソ連、ヨーロッパ各地、アメリカ、アジア諸国 など世界的に広く分布し、年間約200万トンが生産されている。 日本の年間消費は12万トンである。 しかし、日本での年間収穫量はわずか約3万トンであり、8割程度は輸入に 頼っている。

 

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年によって生産量が大きく増減している

 

そばの産地

 

日本各地に香りも風味も豊かなそばがあります。 代表的なものは、北海道の「牡丹そば」、青森の「階上早生」、長野の 「信濃1号」、茨城の「常陸秋そば」などがあげられる。 これらは美味しいそばを安定供給するために品種改良されたものです。

このほかに、日本には古くからその土地に定着した独特の「在来種」が 多く有ります。 長野の「戸隠在来」、福井の「大野在来」、島根の「出雲在来」その土地 の名前を付けて呼ばれている。 日本国内の玄そば収穫量の主な県は北海道が一番多く、長野県、 山形県、茨城県である。

 

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そばの栽培

 

そばの花は、5ミリと小さい。花には、めしべが長くおしべが短い「長柱花」 とめしべが短くおしべが長い「短柱花」がある。 一株一株のそばはどちらかのタイプの花をつける。比率は半々である。 そばは、異なるタイプの花の受粉がなければ結実しない。 長柱花には短柱花、短柱花には長柱花の花粉が必要で、その花粉の 運搬役は虫や風である。そのため受粉は天候に左右される。 そばは、異なるタイプの花の受粉がなければ結実しない。 約2ヶ月で収穫ができ、やせた土地でも労少なくして収穫できる。 救耕作物とされてきた。

 

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そばの収穫

 

国産そばは、収穫時期によって「夏そば」「秋そば」に分かれます。 ・夏そば 春に種をまき夏(6月中旬から8月中旬)に収穫する。 ・秋そば 夏に種をまき秋(9月中旬から11月中旬)に収穫する。

一般的に「新そば」と呼ばれるのは、秋そばのことをいう。 新そばは南北に長い日本では、北海道が一番早く(9月中旬)から収穫が 始まり、だんだん南下して九州では11月中旬頃に収穫される。 新そばは薄緑色と上品な香りが特徴です。

 

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そば粉

 

玄そばとは、殻付きのそばの実のことで表皮は黒褐色の硬いか殻に包ま れている。玄とは黒い色の意味である。 玄そばは左図の断面図のように、中心から外側に向かって「胚芽」「胚乳」 「種皮」「殻」という順に構成されている。 丸抜きとは、外側の黒い殻をきれいにとったもので、新鮮度が良いものは 薄緑色をしている。製粉に際、そばの実は中央から割れて粉になる。

 

 

・一番粉

 最初に飛び出てくるのが中心部で、真っ白い粉である。胚乳の中心部が主体で、でんぷん質多く、主に打ち粉に使用する。

 

・二番粉

 一番粉より内側の胚乳と胚芽が主体で、香り・味・食感が優れて栄養価が高い。

・三番粉

 種皮部分も製粉したそば粉で、栄養価は大変高いが、食感はやや劣る。色は黒っぽい。

 

 

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挽き方

 

そばの実を粉にするには、「ロール挽き」と「石臼挽き」がある。 ロール挽きそば粉は、石臼挽きそば粉に比べて風味は劣るといわれている。 劣る主な原因は、製粉する際の発熱による「粉焼け」にある。 石臼は、上臼と下臼の接触面のすり合せによって粉になる。 粉を手に取るとしっくりしたなめらかな粉になる。 そば粉は、非常にデリケートで鮮度を保つためには温度、湿度の管理が 大変重要である。

 

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         電動石臼挽き                                    ロール挽き

 

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                   水車を利用した石臼挽き

 

そばは「三たて」で食べるべし

 

「三たて」とは、「挽きたて」「打ちたて」「ゆでたて」のことで、昔から旨い条件の 3つの条件といわれてきた。 そば粉にした「挽きたて」から「ゆでたて」して食べるまでの、時間経過が少なけ れば少ないほど鮮度を保つことができる。 これに新そばの季節になれば、「とりたて」を加えて「四たて」となる。

 

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